僕は大人がよく言う「いい子にして、親の言う事をちゃんと聞いていたら、夢は叶う。」というような子供だましが大嫌いだ。
小学校低学年のころ、遠足に行ったとき、電車がなかなかこない事にグズを言った子供に対して、大人が「おとなしくちゃんとしていたら電車は来る」と言っていた。
僕は子供ながら、その無責任な回答にたいして腹を立てていた。
以前、テレビで子供たちがえらい学者さんたちになんでも好きな質問ができるというコーナーをやっていた。
そこで、1人の小学生が真剣に「どうやったらスーパーサイヤ人になれますか?」という質問をしていた。
それに対して、何かしらの学者が「いい子にして、まじめにしていたらスーパーサイヤ人になれるんだよ」と答えていた。
「パイロットになりたい」というような夢とは次元が違う。
「サンタさんは本当にいるの?」という質問と次元が似ている。
物理的に不可能な問題に対して、そのような回答ははたしてベストなんだろうか。
何か腑に落ちないような気もする。
物理的に存在しないサンタクロースがいるように教えたとしても、子供は親を憎まない。むしろ感謝するだろう。
なぜならそれはその場しのぎの嘘ではなく、子供を自分の都合のいいように動かすための嘘でもない。
子供の夢をこわさないように配慮しての嘘だからだ。
しかし、そこに「いい子にしていたら」とか「まじめにしていたら」という言葉が加わるとまったく意味が異なってしまう。
大人の都合に合わせて子供の夢を利用するなんて、まったくもってひどい話であり、不誠実で無責任なことだ。
純粋な子供の質問にどう答えてあげるべきか。
夢にあふれた回答をするのか、現実を知ってもらうために本当の事を教えてあげるのか。
人によって対応はさまざまだが、その回答によってはその子の人生が変わってしまうというぐらいの責任を持って対応してほしい。
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