細かい計算や分析ができるようになれば次は…

小数点 世の中って!?エッセー
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いい悪いは別として人はいかに細かいところまで観察したり分析したり調整したりできるかが、その人の技量を決めるいい判定材料になるのではないかと僕は考える。

DTPの勉強をするため学校に通っていた時、先生が「ポスターや広告、記事などデザインにおける重要な事は、いかに細かいところまで気を配れるか」と言っていた事がある。
DTPの世界ではフォントの大きさやオブジェクトの位置など、何ミクロン単位で調整したりするのだが、とある有名デザイナーはチラシを一目見て「このオブジェクトが0.2point左にずれていたらかっこいいのに」とか「このフォントのトラッキングが1.5%広ければかわいくなるのに」とか考えてしまうらしい。
その分量が細かければ細かいほどいい仕事をするデザイナーなんだと言っていた。

細かいところまで気を配れる女性はいい奥さんになると言われるし、細かく分析する人は天才肌が多いと言われたりする。
感性や理論においても、細かいところまでつきつめて考える人は、新たな発見ができたりするのだが、細かく思考が働かない人がいるのも現状だ。

そんな”小数点以下の考えができない人”に対して細かく説明したり同意を求めたりしても、相手にとってはそれが勝手に四捨五入されて脳内にインプットされるため、”整数”での答えが返ってきてしまう。
そんな人にはたいてい「だからっ!あーもう!」ともう一度説明したくなるのだが、何度説明しても同じで、相手は話をちゃんと聞いてくれていても整数にしか聞こえないため「だから○○って事を言ってるんですよね」と正しいか正しくないか以前に見当違いといった答えが返ってくる事もしばしば。

なんとももどかしくなってしまう場面だが、逆に自分の感性や理論を共有してもらいたいがために、押しつけてしまっても危険である。
あくまで自分のエゴであり、相手は自分とは全く違った次元で、深くとらえているのかもしれない。
また話に興味がなく意図的に四捨五入している人であれば「この人細かいなぁ」と誹謗中傷を受けるはめにもなってしまう。
仕事でも細かい事ばかり言ってくる上司なんていたら、息が詰まってしまうのと同じだ。

逆もしかりで自分が細かく分析しているつもりでも、相手はもっと小数点以下の桁数が多く、勝手に四捨五入して解釈している自分に対してもどかしさを覚えているかもしれない。

そう考えると、小数点以下の桁数が多ければ多いほど、その人のIQやレベルに関係してくるのかもしれないが、それがいい人というわけではない。大事な事は

相手の桁数を知り、相手に合わせられるよう、好きなところで四捨五入できるように自分の桁数を増やしておく

という事。

そうすれば、どんな相手でも理解でき、理解してらえるようになるかもしれない。

この記事を書いた人
かのたつ

エンジニア兼ライター
新聞記者やシステムエンジニアの経験を経てWebライターに。各地を飛び回りながらコラムやエッセーを執筆しています。得意なジャンルは旅行・IT・転職など。自然や動物が大好きで、休日は一眼レフを持ってお出かけすることが多いです。

世の中って!?エッセー
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