「1年なんてあっという間だね」なんて言葉をよく耳にする。
人は年をとるごとにだんだん時間が早く感じてくるという。
とある哲学者は“20歳の時の1年は一生の20分の1、50歳の時の1年は一生の50分の1”だと言う。
ここで時の流れる早さについて少し考えてみたいと思う。
楽しい時間ほど早く過ぎてしまい、待っている時ほど時間は長く感じる。
はたしてこの違いはなんなのか?
それは時間に対する無意識の中の意識がそうさせていると私は考えている。
あたりまえの事だが、人は恋人や友人との待ち合わせで待っている時、やたらと時計が気になり、早く会いたいという気持ちからか、“早く時間が過ぎてほしい”と考えている。
逆に恋人とのひと時を過ごしているとき、あるいは友人とお酒を飲み交わしている時など、時を忘れて遊ぶ事がよくある。
そんな楽しい時を過ごしていながら、無意識の心の中では“この時間がずっと続けばいいのに”と考えている。
与えられた時間の中で限られた欲求を求める前者と、限られた時間の中で与えられた充実感を得る後者。
この時間を追いかける側と追いかけられる側の意識が、その時一瞬一瞬を流れていくスピードを変化させてしまう。
しかし、時がたった後、その時その時を思いかえしてみるとどうだろう。
前者や後者のように楽しかった時やつらかった時ほど、いろいろな事が脳裏に焼きついている。
逆に前者や後者のようであっても、結局はいつもと変化のない日常の中の事であったりするとほとんど記憶には残っていない。
年をとるごとに時間が早く感じてしまうのは日常がある程度パターン化されてしまうためではないだろうか?
もしくは失うものを恐れて自ら日常をパターン化しようとしているのではないだろうか?
だから僕は「1年なんてあっという間だね」という言葉を聞くたびに「きっとこの人は変化のない毎日を過ごしているんだろうな」と考えてしまう。
1年が早く過ぎると思う人は、本当にその1年が充実していたのかよく考えてみてほしい。
充実していないと思うのであれば、何か新しいことにチャレンジしてみるといいかもしれない。
まったく新しい世界に飛び込んでみるのもいいかもしれない。
すると、人生の中で2分の1と思えるほどの1年にめぐりあうかも・・・。
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