募金活動のウラオモテ

募金 世の中って!?エッセー
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街角で募金活動をしているのを見かける事がある。
めぐまれない子供たちへの寄付金集めや、病気と闘う人たちのための資金稼ぎであったりと、目的はさまざまだ。
人のためにそこまでがんばれるという事はすごい事だと思うし、決して僕にはまねできない。
しかし、そんな中で福祉施設設立のため、もしくは自らが運営する団体の活動資金の援助を目的としたものがある。
活動内容はどうであれ、そこに少し疑問を感じてしまうのは僕だけだろうか?

先日、某駅前をブラブラと歩いていると、なにやらでっかい犬を連れて募金活動をしている人たちを見た。
スタッフは3人ぐらいで犬は3匹、またその犬があまりにもかわいくて犬触りたさに100円だけを募金した。

すると女性スタッフに「よろしくお願いしま~す」とチラシを渡された。
チラシの内容を読んだふりをしてフンフンとうなずいたりしてみた。
そして興味津々に犬を見つめていると、そのスタッフが「触ってみますか?」と言ってきた。
「よしきた!」と思った僕は、ここぞとばかりにそのでっかい犬とスキンシップをはかっていた。
次は中型犬だ、僕は中型犬に歩みより頭をなでているとまた別のスタッフに「レナって呼んであげて下さい」と言われた。
僕は「レナ、レナ」と呼びながら頭をなでていた。

家に帰って今度はじっくりそのチラシを見てみた。
どうやら、その団体は保健所に送られる犬や猫、野良犬や野良猫を保護し預かっており、里親を探したり、老人ホームにつれていったりという活動をしているようであった。
少し興味がわいたのでぜひボランティアをしてみたいと思い、その施設に電話をしてアポをとった。

週末の日曜日、僕はジャージを身にまといその施設を訪れた。
すると犬の毛をいっぱい体につけた年頃の女の子がでてきた。
「今から散歩に行くので散歩コースの説明もかねて一緒に行きましょう」という事になった。

散歩の道中、その女の子は施設の活動内容をことを細かくいろいろと教えてくれた。
80頭も犬を預かっているので、結局その日は1日中犬の散歩で終わった。
犬は決して嫌いではないので、今後も継続してボランティアに参加したいと思っていた。
しかし帰り際、「今後に関しては会費とかもあるんでじっくり検討してみてください」と言われ利用規約と申込書のようなものを一式渡された。

帰って利用規約をじっくり読んでみた。
するとボランティア会員や資金援助の会員に関する内容が書かれている。
どうやらボランティアをするには月額1,000円の会費がかかるようである。
今までいろいろなボランティアをしてきたが、ボランティアをするのにお金を払わないとできないなんて初めて聞いた。
お金がかかるんなら「やーめた」という感じである。

ホームページがあるようなのでそれも見てみた。
するとより詳しく活動内容などが書かれており何をするにもお金がかかるような内容であった。

そんな中で少し気になったのは里親のための親睦会&撮影会のようなイベント情報。
近くのとある公園に集まり、里親同士の親睦を深めたり、里子の近況報告をしたり、写真を撮ってフォトブックやカレンダーを作ろうというもの。
そして「撮影した写真をご希望の方は3カット\3,000~13カット\12,000でお譲りします。とても良い記念になりますので、いかがですか。」などと書かれている。
合理的なのかもしれないが、犬を預かってくれた里親にたいしてそれはないだろう思った。

しかも、13カット\12,000てぼったくりじゃないか・・・。

合理主義にもほどがある。

たしかによっぽどの資金が必要なのはわかる。
市や区からの援助がどれほど少ないかもわかる。
そして、今までそうやって資金稼ぎをしたり、募金活動をしている団体をいろいろと見てきた。

しかし、自らで立ち上げた団体資金がなくなり、募金活動をするというのはあまりにも計画性がなさすぎないか?

あるいは「これから設立してがんばっていきたいからお金ください」なんて甘すぎやしないか?

人の役に立ちたい、誰かの助けになってあげたい、そんな懇親的な精神はぜひ見習いたいし、素晴らしい事だと思う。
でも、それはあくまでその人その人のエゴであり、自己満足にしかすぎないのだ。
自分の夢ややりたい事は自分で稼いで果たすというそんな当たり前のことができないのであれば、当然その人の価値観というのはそれまでなのかもしれない。

以前、とある風俗店で働いていた事がある。女性にとってはかなりの高給職であるが、もちろんその分、人にはできないようなハードな内容である。
そこで働く女の子に将来の夢や希望を聞いてみた事があった。
すると、いずれブティックを経営したい、バーを作りたいなど目的は様々である。
もちろん、この職業が天職だからという女の子もいるが、自分の夢や目的のためにおじさんに体を舐められたり、体を洗ってあげたりしているという事を考えると、その意気込みや将来に対する考えはよっぽどしっかりしたものなんだと理解できるし、すごく立派であると思う。

募金を呼びかけてお金をもらい、人の協力をえて自分のエゴをはたそうとする人たちにぜひその生き様を見せてあげたいと思う。
いかに自分が甘ったれていたのかがわかるのではないだろうか?

この記事を書いた人
かのたつ

エンジニア兼ライター
新聞記者やシステムエンジニアの経験を経てWebライターに。各地を飛び回りながらコラムやエッセーを執筆しています。得意なジャンルは旅行・IT・転職など。自然や動物が大好きで、休日は一眼レフを持ってお出かけすることが多いです。

世の中って!?エッセー
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