ドナドナ – 第6話

猫 世の中って!?エッセー
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ある日から突然、上げ下しをしたり、咳が止まらなかったりするようになった。
内科で検査を受けると、肝臓と肺に異常が見つかり、薬を毎日飲むこととなった。
肝臓はもともと弱かったらしく、数ヶ月薬を飲む事によって回復された。
肺の異常はもしかして、牛の餌となっている乾草にアレルギーを起こしているのではないかと疑われた。

僕は前の牧場も含め、半年間の約束だったため、10月いっぱいで帰る事になっていた。
おばあちゃんももう退院したが、現役を退くため、これからもずっと続けてほしいと家族に言われていた。
僕としてもこんな素敵な環境はないと思っていた。
正直、実家には帰りたくなかった。しかし咳は日に日にひどくなるばかり。
乾草にアレルギーを起こしているのであれば、この仕事を続けるにあたって致命的である。

急きょ11月以降のスタッフを募集し、僕と同じ関西からスタッフが住み込みで働く事となった。
引き継ぎのため1~2週間一緒に業務をする事になったが、彼はよく働き仕事の覚えも非常にいい。
安心して業務を引き継ぐ事ができた。

猫

業務最終日、僕は持っていたカメラでいろんな写真を撮った。
牛たちの写真。
牧場に住みついていた猫たちの写真。
親方の妹さんとの写真。
引き継ぎスタッフとの写真。
そして、僕はどうしても、親方と写真が撮りたかった。

続く…

 

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