北海道

世の中って!?エッセー

ドナドナ – 最終話

クビになり行き場のなかった僕を拾ってくれ、ずっと面倒を見てくれた親方に特別な思い入れがあった。 親方の妹さんにカメラを渡し、写真を撮ってもらう時、親方は察してくれたのか、すっとファインダーに写り込む。 親方も恥ずかしさを紛らわすためか、猫を...
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ドナドナ – 第6話

ある日から突然、上げ下しをしたり、咳が止まらなかったりするようになった。 内科で検査を受けると、肝臓と肺に異常が見つかり、薬を毎日飲むこととなった。 肝臓はもともと弱かったらしく、数ヶ月薬を飲む事によって回復された。 肺の異常はもしかして、...
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ドナドナ – 第5話

おばあちゃんが入院してからは、親方と僕と2人きりで生活する事となった。 といっても夜ごはんを作りに、親方の姉の娘が毎日来てくれていた。 親方と僕はシャイな者同士、会話を交わす事はほとんどなかった。 しかし、まじめな性格からか、お互いに心では...
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ドナドナ – 第4話

酪農協会のようなところにつくと、親方は窓口で何かしらの手続きを済ませた。 あとは別の牧場の親方が迎えに来てくれるという事だった。 元の親方は気まずい空気を悟ったのか、すぐに帰りたがっていたが、まもなく別の牧場の親方が来た。 その親方は見た目...
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ドナドナ – 第3話

親方は僕の仕事ぶりを良く思っていなかったらしい。 ある日、僕は住み込みの家の台所に呼ばれた。 親方は僕に「放牧地に行ってみないか?」と聞いてきた。 言葉の意味がよくわからなかったため、詳しく聞いてみると「ここではもう雇えないから、他の牧場を...
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ドナドナ – 第2話

ある日、1頭の牛を市場に売りに出す事になった。 乳牛としての役目を果たしたのか、乳牛として使えない牛だったのか定かではないが、またまた男3人がかりでその牛をトラックに積み込む。 牛は必死に抵抗する。牛は完全にわかっている、自分が売られる事を...
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ドナドナ – 第1話

20代前半の頃、僕は北海道で牧場の仕事がしたいと思い、半年間住み込みの仕事をすることとなった。 4月から10月の北海道なので、とても過ごしやすいいい季節だった。 僕が行った場所は道東の別海町というところ。中標津が近い。 冬の間、住み込みをし...