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バッグ

地元に帰るため、引越しの準備で、荷物を整理してたら、ひとつのボストンバックが出てきた。
東京に初めて出てきた時の事を思い出す。
もう2度と実家になんて帰るもんかという思いで、このボストンバックを片手に新幹線に飛び乗り、東京に出てきたあの夜、僕の気持ちは不安と期待が入り混じっていた。

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何も知らず、何もわからないまま、たかだか30万を持って、東京でいい生活をしようなんて完全に甘かった。
保証人を頼む相手もいなく、部屋を借りることすらできず、寮がついているという事で、しぶしぶ水商売の世界に足を踏み入れた。
過酷な状況で、心も体もボロボロになっていく中で、包丁を振り回された事もあったし、怖い方々に囲まれる事もあったし、フルボトルを投げつけられる事もあったし、信頼している人に裏切られる事もあった。

なんとかそこから這い上がり、1年経った頃には貯金が100万になり、ようやく水商売から足を洗い、保証人代理会社を使って部屋を借りる事ができた。
それでも、少しでも生活をよくしようと、働きながら学校に通い、勉強して、給料はほとんど学費へと消えていった。
意地とプライドだけで、毎月実家への仕送りもしていた。

そうこうしていると、みるみるうちに生活は充実していき、10年の月日が流れ、とうとう世界一周の夢をかなえる事もできた。

引っ越し

部屋の荷物はどんどん増えていき、今はいろんなものであふれかえるような状況になっている。
到底ボストンバッグには入りきらないほどの量なので、「そんな事もあったな」という思いで引っ越しに備えて片づけているが、あの時、バッグに詰め込んだ思いは、一言では片づけられないぐらいのいろいろな経験へと変わった事だろう。

 

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